NV200で車中泊をするときに、ダイネット展開して使えるテーブルを自作しました。
ベッドのレイアウトを変えてテーブルとして使うので、簡単に組み立てと分解ができるようにしています。
ガス管をテーブルポール代わりに流用したので、低コストなテーブルになりました。
テーブルの構造
ベッドのベース部分を製作したときに分割しておいたボードをテーブルとして使います。
テーブルは540x450mmで、少し小さめの2人用サイズです。
【車中泊ベッドDIY】テーブルとしても使えて、コンパクトに収納できるベッドのベース製作テーブルポストの選択
ボードをテーブルとして使うためにテーブルの脚が必要になります。
組み立ての手軽さを考えると、市販のテーブルポストを使うのがよさそうです。
クイックリリーステーブルポスト
少し調べてみると、キャンピングカーやマリン用のクイックリリーステーブルポストが使いやすそうでした。
テーブルポストのベース
テーブルポストはテーブルの支えになるプレートを車両の床に取り付けて、そこにポストを立てるようになっています。
車両の床にプレートがあると、普段荷物を積むときに邪魔になりそうなので、テーブルと同じサイズの合板を下に敷いて、そこにプレートを取り付けようと思います。
マウントの厚み
クイックリリーステーブルポストをよくみていくと、ポールを差し込むマウントが少し厚みがあるようです。(おそらく67mm)
テーブルとしては問題ないのですが、今回製作するテーブルはベッドの一部にもなるので、天板の裏側にマウントを付けると、ベッドの下に高さのある荷物が積めなくなってしまいます。
ほかのテーブルポストも探してみましたが、同じようにマウントは厚みがありました。
構造的にマウントに厚みがあるのは仕方ないのですが、荷物の収納スペースも減らしたくないので、テーブルポストの代わりになりそうなものを考えてみます。
ガス管をテーブルポストに流用
いろいろと探して、テーブルポスト代わりに使えそうだったのが、ガス管とフランジです。
リツくん
フランジ
フランジはDIYなどで使うインテリアの装飾用です。
本物のガス管用のフランジは、ボルト用の穴がM10やM12とかなり大きめですが、装飾用のフランジは穴が小さいので、小さなねじで取り付けられます。
フランジの厚みは約14mmで、テーブルの裏に付けても出っ張りは少なめです。
ガス管
ガス管は、希望のサイズにカットとねじ切り加工をして販売しているお店で購入しました。
テーブルポストとして使えるかテスト
ガス管は20Aや3/4Bと呼ばれるサイズで外径が27.2mmと細めですが、仮組みしてみると気になるようなグラつきもなく、テーブルポストとして実用できそうでした。
ガス管のねじ加工が、テーパねじ(先端に行くほど細い)になっているおかげか、取り付けも思ったよりすんなりとねじが入っていきます。ねじが舐めることもなさそうです。
- フランジが薄いのでテーブル裏の出っ張りが少ない。
- 市販のテーブルポストに比べて低コスト。
- ねじをくるくると回してガス管とフランジを固定するので組み立て分解に少し手間がかかる。
テーブルの適切な高さ
テーブルの高さは、使う人の座高と椅子の高さから、ちょうどいい高さが出てくるようですが、家と違ってクルマの中という狭い空間なので車内高も含めて考えるのがよさそうです。
ハイルーフの車両なら気にならないかもしれませんが、NV200くらいの室内高だとテーブルが高いと少し窮屈な感じがしました。
参考 テーブルと椅子のちょうどいい高さについてはじめてのアンティーク インテリアコーディネート、お手入れ/アンティーク家具ショップHandle参考までに、今回はガス管を610mmにして、合板やフランジなどを含めたテーブルの高さがだいたい660mmになるように作りました。
テーブルの製作
部品が決まったので、テーブルの製作にかかります。
合板の「す」を埋める
運悪く、合板の小口に「す」があったので埋めてみます。
適当な端材をボンドで留めてやすりをかけただけですが、ほとんどわからなくなりますね。
合板とフランジの固定
合板とフランジを固定する部分は、テーブルの組み立てと分解を繰り返して負荷がかかります。
木ねじだと少し不安なので、爪付きナットを使ってねじ止めすることにしました。
爪付きナットの取り付け
爪付きナットをそのまま付けると天面が出っ張ってしまうので、フォスナービット (座繰りドリル)を使って合板をざぐります。
テーブルの表側にざぐりと下穴をあけて、爪付きナットを取り付けます。
ざぐったところは、上に貼るシートに凹凸がでないように軽くやすりをかけておきました。
フランジ取り付け
爪付きナットを付けたら、裏側にねじでフランジを固定します。ねじはM5の皿ねじを使いました。
合板を爪付きナットとフランジでサンドイッチする形になり、ねじをしめると爪付きナットも食い込んでいくので、しっかりと固定ができます。
無垢材の天板などで表面を活かす場合は、ねじ込みの鬼目ナットを使うと強そうですね。
天板の表面は長尺シート
天板の表面は耐久性のある素材を使いたいところです。
メラミン板を使うのが一般的だと思いますが、大きなサイズしか売っていないのでコストがかかりすぎてしまいます。
ほかに使えそうな材料を探しましたが、なかなかよいものが見つからず、長尺シートを貼ることにしました。(それでもコストは高めですね)
長尺シートは本来は床材なので、キズや汚れに強く耐久性は十分あります。
熱にはそこまで強くないですが、沸かし立てのケトルを直接置くようなことをしなければ普通に使えそうです。
木目と迷いましたが、清潔感のある白い長尺シートにしました。
表面はツルツルではなく、若干シボがあっていい感じです。
長尺シートの貼り付けは、セメダイン スーパーXを使いました。
接着剤は厚く塗ると表面がボコボコしてしまうので、なるべく薄く塗るように気を付けます。
2人がかりで塗りましたが、面積がそこそこ広く急がないと乾いてきてしまうので大変でした。
天板の小口の加工
天板の角はトリマーを使ってアール加工をします。
コーナー用の治具(テンプレート)もありますが、使う頻度が低いので5.5mm厚のMDFを削って治具を作りました。
きれいに削ることができました。
リツくん
天板の裏側も面取りビットを使って少し大きめに面取りをしました。手触りがよくなるのと、ちょっとしたアクセントにもなります。
クリアーペーストグレーズの塗布
小口と裏面はやすりをかけて、板張りした内装を塗装したときにも使った、クリアーペーストグレーズを保護のために塗りました。
クリアーペーストグレーズを塗ると、色味が濃くなって締まった感じになりますね。
普通の合板ですが、テーブルっぽい雰囲気になったでしょうか。
フィンランドバーチなどのプライ数の多い板を使えばきれいなテーブルができそうです。
テーブルの底板
テーブルの支えになる底板も天板と同様に作りました。天板と見分けがつくように、長尺シートは床張りをしたときに余った木目調のシートを貼っています。
NV200 荷室全面を本格的に床張り加工ガス管の塗装
ガス管はマットブラックに塗装しました。
やすりで足付けとシリコンオフで脱脂をして、厚塗りにならないように気を付けながら、3度塗りくらいで仕上げています。
質感にこだわるなら、アイアンペイントを使うと雰囲気がでそうですね。
テーブルポストの収納場所
テーブルポストの収納場所は少し悩みましたが、パーテーションパイプ(仕切り棒)と一緒に面ファスナーを使ってフロアに固定しています。
完成
テーブルが完成しました。
リツくん
当初は市販のテーブルポストを使う予定だったのですが、ガス管を流用して作ることになりました。
ガス管を使ったテーブルポストは、ねじをくるくると回して固定するので、組み立てに少し手間がかかります。
僕はベッドのまま軽く食事をすることも多いので、組み立てが多少手間でも問題ないですが、テーブルを使う頻度が高い方は、市販のテーブルポストを使った方がスムーズですね。
ベッドのベース部分の製作、マットの取り付けはこちら。
【車中泊ベッドDIY】テーブルとしても使えて、コンパクトに収納できるベッドのベース製作【車中泊ベッドDIY】ビニールレザーとウレタンスポンジでベッドマットの製作完成したベッドのレイアウトを紹介
【車中泊ベッドDIY】自作したベッドの3つのレイアウトを紹介