車中泊用に自作したベッドに使うスポンジマットを選んでみました。
いろいろと試した結果、「ウレタンチップスポンジ」と「高弾性ウレタンスポンジ」を組み合わせると、硬さの調整ができて寝心地のよいマットになることがわかりました。
個人の好みがあるのでマット選びはむずかしいですが、これからベッドマットを自作する方の参考になれば幸いです。
車中泊用ベッドマット
車中泊用のマットというと、エアマットやインフレータブルマットなど、いろいろな種類がありますが、今回選ぶのは、自作したベッドにファブリックやレザーを巻いて取り付けるマットです。
布団や市販のマットレスは使わずに、マットの上にシュラフ(寝袋)で寝るので、マットの質が寝心地に直接関わってきます。
ぐっすり眠るためになるべく体に合うものを選びたいところです。
【車中泊ベッドDIY】テーブルとしても使えて、コンパクトに収納できるベッドのベース製作ウレタンチップと高弾性ウレタンの2層構造
車中泊用のベッドに使うマットについて調べてみると、どうやら「ウレタンチップスポンジ」と「ウレタンスポンジ」を組み合わせて2層構造にするのがよさそうです。
当店では体に当たる上部にウレタンスポンジを、土台になる下部にはウレタンチップスポンジのご使用をおすすめします。 ウレタンのスポンジは弾性、硬さにそれぞれの特徴があり、体に当たった時の感触を左右します。 土台になるウレタンチップスポンジは硬さを左右します。
二層構造について ソフトプレン
2層にすることで、ウレタンチップはマットの全体的な硬さ、ウレタンスポンジは体に当たったときの感触を調整できるようです。
ウレタンチップスポンジとは
スポンジ端材を粉砕し、接着剤をブレンドして型に入れ蒸気で押し固めたものです。圧縮してあるので普通のウレタンに比べヘタリに強い素材です。
ウレタンチップフォーム « 法人向け各種スポンジ,ウレタンフォーム加工販売|ソフトプレン工業株式会社|
ソファや椅子のクッション材としても使われている、スポンジの端材を圧縮して固めたものがウレタンチップスポンジです。ヘタリにくいのもポイント高いですね。
高弾性ウレタンスポンジとは
軟質ポリウレタンフォームには高弾性フォームや低反発フォームといった表現が使用されています。この高弾性や低反発の目安となるのが反発弾性です。高弾性(高反発)フォームは反発弾性率が50%以上であり、圧縮後復元しやすく、ヘタリにくいのが特長です。
主な特性 | 軟質ポリウレタンフォーム | ウレタンフォーム工業会
ウレタンスポンジのなかでも、JIS規格で反発弾性率が50%以上のものが高弾性と決められているようです。
2層構造は本当に寝心地がいい?
ウレタンチップ単体とウレタンスポンジを組み合わせたときの違いを試してみたかったので、ホームセンターでウレタンチップと高反発ウレタンを買ってみました。
ウレタンチップは15mm厚くらい、高反発ウレタンは5mm厚のものを多めに買って、厚さによる寝心地の違いも比べてみます。
ウレタンチップのみ
床に直接に寝るより遙かに寝心地はよくなりますが、体と接する部分が少ないので、いわゆる体圧分散ができていない感じで体が痛いです。
ウレタンチップ x 2枚
ホームセンターで購入したウレタンチップが硬めなのか、1枚のときとあまり変わらない印象です。このスポンジは少し硬すぎるのかもしれません。
ここからは、ウレタンチップは1枚で試していきます。
ウレタンチップ + 高反発ウレタン5mm
柔らかさが加わって寝心地がよくなりました。
5mmだとあまり変わらないかな?と思っていましたが、違いは大きく感じます。
ウレタンチップ + 高反発ウレタン10mm
さらに柔らかさが増してよい感じに。
ウレタンチップ + 高反発ウレタン15mm
かなり快適な寝心地になりました。
ウレタンチップ + 高反発ウレタン20mm
今まで1番寝心地はよいですが、15mmとの差はそれほど大きく感じません。
ウレタンチップ + 高反発ウレタン30mm
少し柔らかくなりすぎたのか、腰の辺りが沈むような感じもしました。
高反発ウレタン30mmのみ
高反発ウレタンだけだとどうなるのか試したみましたが、体重が掛かる部分に底付き感が出てダメでした。
2層構造がおすすめ!
ウレタンチップと高反発ウレタンの組み合わせを試した結果、ウレタンチップ単体よりも2層構造にしたほうが寝心地はかなりよくなりました。
リツくん
ソフトプレンでサンプルを購入
2層構造がよいことがわかったので、さっそくスポンジを買いたいところですが、ホームセンターではサイズや厚さが選べません。
スポンジ専門店のソフトプレンではサンプルの販売もしていたので、サンプルを購入して硬さなどを確かめてみることにしました。
サンプルはブロックサンプルとサンプル帳がありますが、大きい方がわかりやすそうだったのでブロック状のものにしました。
高弾性ウレタンスポンジ
高弾性ウレタンは1種類に絞って、「やわらかい高弾性ウレタンスポンジ」を購入。
硬さはホームセンターで購入した高反発ウレタンより少し硬いくらいの感触で、ちょうどよさそうです。
ウレタンチップスポンジ
ウレタンチップは「少し硬めのウレタンチップスポンジ」と「硬めの白ウレタンチップスポンジ」の、硬さの違う2種類を購入しました。
ブロックサンプルのサイズは100 x 100 x 50mmなので、薄くカットしてホームセンターのウレタンチップと比べてみます。
触った感じだと、サンプルの「硬めの白ウレタンチップスポンジ」よりもホームセンターで購入したスポンジの方が硬い印象です。
ホームセンターのウレタンチップは少し硬すぎる感じだったので、バランスはよくなりそうです。
リツくん
ウレタンチップスポンジの密度、硬度
ソフトプレン工業の法人向けのサイトに密度や硬度のデータがあったので、一般販売向けの商品がどれに相当するのか問い合わせてみました。それぞれ、次のようになるそうです。
ソフトプレン品名 | タイプ | 密度 kg/m3 | 硬度 N | 品番 |
---|---|---|---|---|
やわらかいウレタンチップスポンジ | #6000 | 60 | 118 | CH402 |
少し硬めのウレタンチップスポンジ | #7000 | 70 | 157 | CH403 |
硬めの白ウレタンチップスポンジ | #8000 | 80 | 216 | CH404 |
寝心地のよさそうな2層の組み合わせ
体に当たる部分は「やわらかい高弾性ウレタン」を使って、ベース部分は、柔らかめのマットが好みの場合は「少し硬めのウレタンチップ」を、硬めが好みの場合は「硬めの白ウレタンチップ」を使うのが寝心地のよさそうな組み合わせです。
硬さの好み | 柔らかめ | 硬め |
---|---|---|
組み合わせ | ||
体に当たる部分 | やわらかい高弾性ウレタン | やわらかい高弾性ウレタン |
ベース部分 | 少し硬めのウレタンチップ | 硬めの白ウレタンチップ |
2つのスポンジの厚さを変えることで、「高弾性ウレタンを増やすと柔らかい感触」、「ウレタンチップを増やすと硬め」というような調整ができると思います。
スポンジの購入先
量り売りのスポンジ
必要な量だけ購入できる量り売りのスポンジだと、コストを押さえられますね。
規格サイズのスポンジ
1200x1000mmや1200x2000mmなど、使う面積が合えば規格サイズのほうがお得な場合も。
2層構造のスポンジ
もともと2層構造になっているスポンジも便利ですね。
さいごに
車中泊用のベッドに適したウレタンマットを考えてきました。
市販のマットレスのように試しに寝てみることができないので選ぶのが難しいですが、サンプルなどを使って好みに合うものをみつけてください。
2層構造のウレタンスポンジでベッドマットを製作しました。
【車中泊ベッドDIY】ビニールレザーとウレタンスポンジでベッドマットの製作