NV200の荷室全面を床張り加工しました。
ハイエースやNV350など、車種ごとの専用サイズにカットされた合板やキットも市販されていますが、細部を好みの形にするため1からDIYしました。必要な工具はドリルとジグソーがあればなんとかなります。
リアシート、フロアマットの取り外し
床張りの準備として、リアシートやフロアマット、邪魔になる内張りを外しておきます。
NV200のバンは、ボルトやクリップなどで止まっているだけなので特に迷うこともなく外せます。
根太張り
当初、根太(床板を支える部材)は入れないで、タイダウンフックのボルトで合板を固定しようと考えていましたが、合板は微妙な反りがあるので根太を入れてビス止めすることにしました。(結果的に根太は必須です。ビス止めしないと綺麗に収まりません。)
NV200はよくも悪くも車内がそれほど広くないので、室内高をできるだけ残すためにフロアのリブの凹みに沿って根太を入れました。
リブの凹みは約11mmです。12mm厚の合板だとフロアと高さが揃いませんでした。ホームセンターでたまたま11mm厚の合板があったので細長くカットして使いました。
根太はフロアを脱脂して両面テープで固定しました。
合板の加工
合板の種類
床材となる木は合板やコンパネなどいろいろな種類がありますが、車の中という狭い空間なので、ホルムアルデヒド放散量のなるべく少ないF☆☆☆☆ フォースターの構造用合板を使いました。
参考 もうバカにされない!ベニヤ・コンパネ・合板って何が違うの?それぞれの違いや特徴、価格を徹底調査!建材ダイジェスト合板は1枚では足りないので、910x1820mmと1220x2430mmの合板を1枚ずつ使い前後で2分割しました。厚さは12mmです。大きいサイズは高価なので3分割の方がよいかもしれません。
縦方向はサイズを決めてホームセンターでカットしておくと、あとの作業が楽です。
合板の型取りとカット
後ろの半分は、もともと付いていたゴムマットを使って型取りしました。
ジグソーでカットしてボディに当たる部分を微調整していきます。ジグソーは直線用と円切用のブレード(刃)をこまめに変えると、きれいにカットできます。
走行中に軋み音が出ないように、少し小さめにしてボディに当たらないようにしました。
前の半分は、プラダンを使って型取りしました。
型を取るまで気付きませんでしたが、NV200はステップの形状が左右で違うので注意が必要です。
けがいてジグソーでカット。こちらも浮きや当たりがないように微調整します。
ステップの部分は、上に敷くシートを挟むため斜めにカットしました。
リアシート固定部分
リアシートの固定プレートは合板の上に移設した方が簡単ですが、シートを畳んだ上にベッドを作る予定なので、ベッド上の空間を少しでも広くするために合板をくり抜きました。
キャッチの部分はもう少し小さな穴でも大丈夫ですが、掃除のしやすさを考えてこの形状になりました。
燃料ポンプ部
フロアには燃料ポンプへアクセスするサービスホールがあるので、そこだけカットしておきました。万一故障したときはシートをめくってここだけ外せば、パネル全体は外さなくて済むと思います。
断熱材
室内高をできるだけ残したかったので、厚みのある断熱材はあきらめて薄手のものを使うことにしました。
断熱材代わりに使ったのはポリプレートという養生材です。厚さ2.5mm程のポリプロピレンの発泡板で、合板よりは断熱効果がありそうです。
切り出した合板に合わせてカットします。
遮熱材
断熱材と合板の間には、遮熱効果を期待してアルミホイルを挟むことにしました。ルーフの遮熱で使ったアウトドア用の厚手のアルミホイルです。
NV200 ルーフの制振、遮熱、断熱材の施工テープ糊で合板に貼り付けました。
長尺シート (クッションフロア)
上に敷くシートはいろいろな種類があります。住宅用のクッションフロアは車内で使うには強度が低く破れやすいので、土足対応や屋外用の耐久性が高いものがおすすめです。今回は長尺シートと呼ばれるものを使いました。
長尺シートは木目調のほかにもさまざまな柄があるので、好みのものが見つかると思います。
切り出した合板に合わせてシートをカットします。ぴったりに切り出したら、車に乗せたときに微妙に位置がズレたので、少し大きめにして最後に調整するのがよさそうです。
車両への固定
合板の固定
断熱材、合板を敷いて根太へビス止めしていきます。
合板の割れやネジの出っ張りを防ぐため、下穴を開けて皿ネジ用に面取りカッターでザグリました。ストッパーがあると深さを一定にできて便利です。
使うネジにもよりますが、特に全ネジの場合は体重をかけてネジを打たないと合板が浮いて固定されることがあるので気を付けてください。
固定が済んだところで、軋み音がでたりしないか試走しておきました。問題なさそうなので次の工程へ。
長尺シートの固定
シートの貼り付けは通常はボンドで固定するのですが、万一はがしたときに再利用できるよう、両面テープで固定しました。(燃料ポンプが壊れない限りはがすことはないと思いますが。)
使った両面テープが少し厚かったので、段差が出ないように面で貼りました。
位置がズレないように気を付けてシートを貼り付けます。両面テープは位置の調整ができないので、貼り付けはボンドの方が簡単です。
見切り(端部)の処理
前後の見切り(端部)は、階段の滑り止めなどで使われるアルミのステップで処理しました。トリムと重なる部分は形状を合わせてカットしています。アルミは柔らかいので加工は比較的楽です。
後ろ側はタイダウンフックと位置が重なるので、フックに合わせてカットしました。地味に手間がかかります。
コーキング
シートを貼り終えたら、砂や埃がフロアに入り込まないようコーキング処理をしていきます。
マスキングして
コーキングガンで充填して、ヘラでならします。
マスキングをはがせば完成です。
コーキングは単純に見えて奥が深い作業でした。仕上がりはマスキングの貼り方で8割方決まる感じです。ていねいにマスキングしましょう。
完成
外したトリムを戻してようやく完成です。次の作業のためリアシートはまだ載せていません。今回使った合板やシートの重さはトータルで21kg程でした。
ステップの部分はシートを挟み込みました。
後ろの木口(端面)も長尺シートを貼っています。
ゲートの部分はアルミの縞板と言いたいところですが、縞板風のゴムマットを貼りました。
リツくん